[今日の注目ニュース]09/02/24 

「2015年までに100兆円の新規需要を創出」,ICTビジョン懇談会が緊急提言:ITpro.
総務省の「ICTビジョン懇談会」は2009年2月23日,「ICTニューディール政策」と呼ぶ緊急提言を発表した。同懇談会は,2015年ころを視野に入れた総合的なICT政策のビジョンを描く目的に2008年10月に発足していた。今回の緊急提言は,2008年後半以降の景気後退を踏まえ,政府に早急な具体的活動を期待したものである。
今後三年間で集中的に以下の施策を実施するとのことです。
- 「世界を常に一歩リードする」情報通信基盤の早期実現により,あまねく国民の利便性を向上
- 革新的電子政府により,政府の効率化・国民が利便を実感できる行政サービスを実現
- 医療・教育分野におけるICT利活用の加速化で、医療・教育の質の飛躍的な向上を実現
- グリーンICTの推進による低炭素革命の実現
- ICT資源を最大限活用した,次世代のデジタル新産業の創出加速化
- デジタルコンテンツ市場の育成によるクリエイティブ産業の強化
- ICTの「つながり力」を最大限活用した地域活性化の実現
- グローバル市場への進出を見据えたICT産業の国際競争力の向上実現
このニュースを読んでまず、直感的に疑問に感じたことは(このような事を推進する)「日本のIT技術者のレベルは上がっているのか?」ということです。
IT技術者は社会の仕組みを効率化する業務を行っています。ビジネスという観点から顧客と対話し、顧客の利益を最大化するための仕組みを提供するのが仕事です。
IT業界は残念なことに「社会適応力」、「ビジネス創造力」、「イノベーション力」をあまり重視することなく、人材を育ててきた経緯があります。
上記8項目を見ると「社会適応力」、「ビジネス創造力」、「イノベーション力」を持つ人材が多く必要になります。しかしながらこのような人材は業界に多くいるとは言えません。IT業界に期待するのはよくわかるのですが、まずは現実を踏まえて提言をする必要があると思います。
なぜ、人材が育たないかというとIT業界には、ゼネコン業界に大変よく似たピラミッド構造が存在しているからです。当然下請けは単価が安く、労働集約型になりがちです。当たり前のことですが、利益が少ない下請け企業は人材を育てている時間などはありません。言葉は悪いですが、多くの技術者は使い捨て的な感覚で扱われているのが現状です。
一方、仕事を受託する大手メーカーや大手SIerや仕事を取ることのみにご執心で、取った後は下請けに丸投げで、開始されたプロジェクトに関わることを嫌います。あまり中身がわかっていないので、何か追加の要求を受けると
おきまりの台詞として「それを行うには後○億円必要になります。」が登場します。
要件定義も真剣にしなかったくせに「何いってやがんだ」と言うのがクライアントの偽らざる心境でしょう。
このニュースは100兆円の産業を興しますと言うことらしいですが、100兆円の産業を落とすためにいくらの補助金を大手メーカーや大手SIerにばらまくのでしょうか?
詳細な情報までは調べていませんが、大手メーカーや大手SIerにスポイルされて、何も残らなかったと言うことにならないことを祈ります。
もっともっと、ビジネスを理解したIT技術者を社会は育てていかなければなりません。これを無くしては、日本のIT産業はますます世界に遅れを取ることとなります。
そのために、私たちの業界は付加価値を上げていく自助努力が必要です。
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